特定技能・技能実習の外国人材が物流倉庫の主戦力になるなか、OJT担当者を悩ませるのが「現場用語が教科書に載っていない」問題です。日本語能力試験N4に合格していても、「バース」「番重」「はい作業」は習っていません。本記事は、OJT初日からそのまま使える現場用語60選を、やさしい日本語の言い換えと6言語対照表つきで整理した保存版です。印刷して休憩室に貼る、朝礼で1日3語ずつ確認する、といった使い方を想定しています。
最優先:安全指示の10語(6言語対照表)
事故を防ぐため、着任初日に必ず全員で発音・意味を確認してください。とっさの時は日本語で叫ばれるため、聞いて反応できることが重要です。
| 日本語 | English | 中文 | Tiếng Việt | Português | Bahasa Indonesia |
|---|---|---|---|---|---|
| 止まれ | Stop | 停止 | Dừng lại | Pare | Berhenti |
| 危ない | Watch out | 危险 | Nguy hiểm | Cuidado | Awas |
| 待って | Wait | 等一下 | Chờ đã | Espere | Tunggu |
| 下がって | Step back | 后退 | Lùi lại | Para trás | Mundur |
| ゆっくり | Slowly | 慢一点 | Chậm thôi | Devagar | Pelan-pelan |
| 前へ(オーライ) | Go ahead | 前进 | Tiến lên | Avance | Maju |
| 置いて | Put it down | 放下 | Đặt xuống | Coloque aqui | Letakkan |
| 持って | Hold it | 拿着 | Cầm lấy | Segure | Pegang |
| 手伝って | Help me | 帮个忙 | Giúp tôi | Me ajude | Tolong bantu |
| 休憩 | Break | 休息 | Nghỉ giải lao | Pausa | Istirahat |
施設・設備の用語(15語)
- バース:トラックが荷物の積み降ろしをする場所。「バース3に 行ってください」
- プラットホーム:バースの前の、トラックの荷台と同じ高さの床
- ドックレベラー:トラックと床の段差をなくす板。踏む時は指差し確認
- ゲート/守衛室:トラックが最初に入る入口。受付をする場所
- 待機場:呼ばれるまでトラックが待つ場所
- ラック:荷物を置く棚。「ラックのA-3に 置いてください」
- ロケーション:棚の住所(番号)。ピッキングで一番大事な言葉
- パレット:荷物を載せる台。木製とプラスチック製がある
- 番重(ばんじゅう):食品などを入れる浅い箱。積み重ねられる
- カゴ車(かごしゃ):カゴの形の台車。動かす時は2人で
- ハンドリフト:パレットを手で運ぶ道具
- フォークリフト:荷物を運ぶ車。資格がない人は運転できません
- シャッター:バースの大きい扉。開閉時は下に立たない
- 検品台:荷物を調べる机
- 庫内(こない):倉庫の中のこと
作業の用語(20語)
- 入荷(にゅうか):荷物が倉庫に入ってくること
- 出荷(しゅっか):荷物を倉庫から送り出すこと
- 荷降ろし/荷積み:トラックから降ろす/トラックに載せる
- 検品(けんぴん):荷物の数と種類が正しいか調べること
- ピッキング:注文された商品を棚から集めること
- 仕分け(しわけ):荷物を行き先ごとに分けること
- 積み付け(つみつけ):荷物をきれいに積むこと。重い物が下
- はい作業:荷物を高く積み上げる/降ろす作業。資格が必要な場合がある
- 梱包(こんぽう):荷物を箱や袋に入れること
- ラベル貼り:荷物にシールを貼ること
- 棚入れ(たないれ):荷物を決まった棚に置くこと
- 在庫(ざいこ):倉庫にある商品の数
- 棚卸し(たなおろし):在庫を全部数えること
- 誤出荷(ごしゅっか):間違った荷物を送ってしまうこと。一番のミス
- 破損(はそん):荷物が壊れること。見つけたらすぐ報告
- 先入れ先出し:古い物から先に出すルール。食品で特に大事
- 天地無用(てんちむよう):上下を逆にしてはいけない荷物
- ワレモノ:割れやすい荷物。ガラスなど
- 要冷蔵/要冷凍:冷たくしておく荷物。放置禁止
- 検収(けんしゅう):受け取った荷物に問題がないと確認すること
伝票・受付の用語(15語)
- 伝票(でんぴょう):荷物の情報が書いてある紙
- 送り状(おくりじょう):荷物の宛先が書いてある紙
- 納品書(のうひんしょ):納めた商品のリスト
- 受付(うけつけ):着いたことを知らせる手続き。「QRコードで 受付してください」
- 車番(しゃばん):トラックのナンバー
- 積み荷(つみに):トラックに載っている荷物
- 荷主(にぬし):荷物の持ち主の会社
- 着荷主(ちゃくにぬし):荷物を受け取る側の会社
- 運送会社(うんそうがいしゃ):荷物を運ぶ会社
- ドライバー:トラックの運転手
- 呼び出し(よびだし):順番が来たことを知らせること。スマホに届く
- 接車(せっしゃ):トラックをバースに着けること
- 荷待ち(にまち):トラックが順番を待つこと
- 点呼(てんこ):出発前の確認。名前を呼ばれたら返事
- 朝礼(ちょうれい):朝のミーティング。今日の予定を確認
OJTを成功させる3つのコツ
1. 「やさしい日本語」に言い換える
「積載物を確認の上、指定バースへ移動願います」は伝わりません。「荷物を 確認してください。バース3に 行ってください」——短く区切り、一文一義、敬語は「です・ます」だけ。これが鉄則です。
2. 教える順番は「安全→毎日使う→事務」
60語を一度に教えても定着しません。安全指示10語(初日)→作業用語(1〜2週目)→伝票用語(1か月目)の順で、朝礼1日3語のペースが現実的です。
3. 口頭指示への依存を仕組みで減らす
用語教育と並行して、「そもそも日本語を聞き取れなくても業務が回る仕組み」を整えると、教育期間中の事故・ミスを防げます。たとえばヨビトラのようにドライバー向け受付・呼出通知が6言語(日・英・中・越・葡・尼)に対応したツールを使えば、トラック受付まわりの言語トラブルはツール側で吸収できます。グローバルプランのAI翻訳チャット(音声読み上げつき)とピクトグラム定型指示を使えば、庫内スタッフへの作業指示も母国語で届きます。
まとめ
- 現場用語は教科書に載っていない——OJT用の用語リストを職場で共有する
- 安全指示10語は6言語対照表で初日に全員確認
- 「やさしい日本語」+朝礼1日3語で無理なく定着させる
- 並行して受付・呼出・指示の多言語化を仕組みで整えると、教育中のリスクを最小化できる
※本記事の対訳は現場での通称・簡易表現を含みます。正式な安全教育は各社の安全規程・厚生労働省の外国人労働者向け教材とあわせてご活用ください。