バース予約システム(トラック予約受付システム)の導入を検討するとき、各社の営業資料を並べても「どの機能が業界標準で、どれがオプションなのか」が分かりにくいものです。本記事では、全日本トラック協会が公表している「トラック予約受付システム」のご案内(令和元年5月・令和7年2月一部改訂)に掲載された主要システムの機能・価格を横断的に整理し、選定時にそのまま使える業界標準機能チェックリストとしてまとめました。

出典資料について

全日本トラック協会の同資料は、荷主へ予約受付システムの導入を提案するための基礎資料として作成されたもので、トラアポ・TruckBerth・N-Torus・LogiPull・MOVO・Li-SO・TruckCALL・SmartTransport・EPARK・トラック簿・Airウェイトなど11以上の主要システムのシステム構成・特徴・価格・導入実績が掲載されています。つまりこの資料に共通して登場する機能こそが、業界の「標準装備」と読み解くことができます。

資料から読み解く「3つの基本機能」

資料内で機能概要として整理されているのは、大きく次の3つです。

機能1:受付業務のデジタル化と呼出通知

タブレットやPC、QRコードによる到着受付。ドライバーへ待ち状況を表示し、バース入構指示をSMS・メール・LINE・電話で送信します。「受付事務所を経由する回数を削減する」ことが目的とされています。

機能2:Webからの入構時刻予約

トラック事業者(または倉庫側の代行)がWebサイトから入構時刻を予約する機能。定期予約・不定期予約に対応し、過去の予約状況を表示して渋滞・待ち時間を軽減します。

機能3:作業実績の収集とCSV出力

車両ごとに「入退構時間」「待機時間」「作業時間」の実績を収集し、CSVで出力する機能。2025年以降は改正物流効率化法の荷待ち・荷役記録の対応にも直結します。

業界標準機能チェックリスト【保存版】

資料掲載システムの特徴欄を横断して整理すると、確認すべき項目は以下に集約されます。商談時にそのまま使えるチェックリストです。

分類チェック項目重要度
受付・呼出
(基本)
QRコード等による受付の無人化・省人化ができるか★★★
呼出通知の手段(SMS/LINE/メール/自動音声電話)が自社の来場ドライバー層に合うか★★★
ドライバーがアプリのインストール・ID登録なしで使えるか★★★
待ち状況・呼出順がドライバーのスマホから確認できるか★★☆
予約Webから入構時刻を予約できるか(ドライバー予約/運送会社の配車担当予約の両対応か)★★★
予約枠の単位(15分/30分)と枠上限を自社で設定できるか★★☆
予約なしの当日飛び込みと予約車両を同じボードで管理できるか★★★
定期予約(毎週同じ便)に対応しているか ※必要な拠点のみ★☆☆
記録・法対応入退構・待機・作業時間が自動記録されるか★★★
CSV等で出力でき、改正物流効率化法の報告・荷主への提示に使えるか★★★
予約と実績の差異を確認できるか(改善活動用)★★☆
現場適合ガラケー・スマホ不慣れなドライバーへの手段(SMS・自動音声)があるか★★☆
外国人ドライバー向けの多言語対応があるか★★☆
混雑状況を外部(運送会社・ドライバー)に公開できるか★★☆
導入・費用専用機器・サーバーが不要か(クラウド型か)★★★
初期費用・月額・通知1通あたりの従量費用の総額で比較したか★★★
無料トライアルや最小構成でのスモールスタートができるか★★☆

価格相場:協会資料掲載システムの費用感

資料に掲載されている価格を整理すると、おおよそ次の3つの価格帯に分かれます。

価格帯月額の目安特徴
フル機能型5万〜15万円/拠点
+初期費用(〜80万円)
予約管理・入退管理・誘導・実績管理まで一体。大規模センター向け。バース数・ID数で従量課金のものも
ミドル型2.5万〜5万円/拠点
+初期費用(25万〜30万円)
予約+受付+呼出の標準構成。中規模拠点向け
低価格・特化型0円〜2万円台順番待ち・呼出に特化。フリープランを持つものも。中小拠点のスモールスタート向け

注意したいのは、月額基本料のほかに通知の従量費用(例:SMS 1通20円)や、バース数・予約件数に応じた変動費がかかる場合があることです。必ず「自社の1日あたり台数×稼働日数」で総額を試算しましょう。

チェックリストの使い方:全部○である必要はない

重要なのは、自社の拠点規模と来場ドライバー層に必要な項目だけを満たすことです。バース2〜5本の中小拠点であれば、★★★の項目(QR受付・呼出通知・アプリ不要・実績記録CSV・クラウド型・総額の妥当性)を押さえれば十分に機能します。逆に、専任の管理者を置けない拠点が「定期予約」「WMS連携」のようなエンタープライズ機能から入ると、設計・運用負荷で定着しないリスクが高まります。

ヨビトラのチェックリスト対応状況

参考までに、呼出特化型クラウドサービスヨビトラ(月額4,980円〜・初期費用0円)の対応状況です。

チェック項目ヨビトラ
QR受付・キオスク受付(無人化)○ ドライバーQR+タブレット受付
呼出通知の手段○ LINE・SMS・自動音声電話の3段エスカレーション
アプリ不要○ インストール・ID登録とも不要
待ち順のスマホ確認○ 受付後の画面で順番を常時表示
Web予約(配車担当者向け)○ URLを渡すだけ・ドライバー転送用チケット発行
LINE予約(ドライバー向け)○ 30分枠・実質2タップ・車上受付対応
予約と飛び込みの統合管理○ 同一ボードで予約車両を上位表示
荷待ち時間の自動記録・CSV○ 受付〜呼出〜完了を秒単位で記録・Excel対応CSV
多言語対応○ 6言語(日英中越葡尼)の受付・通知・現場チャット
混雑状況の外部公開○ 公開用URLを発行(個人情報なし・6言語)
クラウド型・専用機器不要○ 手持ちのタブレット・スマホで開始
定期予約・WMS連携△ エンタープライズプランで個別対応

まとめ

  • 全日本トラック協会の公表資料に共通する機能=業界標準は「受付デジタル化+呼出通知」「Web予約」「実績記録・CSV」の3本柱
  • 相場は月額2.5万〜15万円+初期費用。通知の従量費・変動費を含めた総額で比較する
  • 中小拠点は★★★項目(QR受付・呼出通知・アプリ不要・記録CSV・クラウド型)を満たす低価格帯からのスモールスタートが定着への近道

本チェックリストはA4・1枚に収まる分量です。印刷して各社の商談・デモの場でそのままお使いください。